流域連携基金事業:実施状況

水源地“うきは”体験事業

筑後川の水源地流域であるうきは市に行きました。寺社の見学や茶摘み体験、森林セラピーなどを通して、筑後川や水と共生してきた歴史や自然豊かなうきは市について理解を深め、環境保全や水の大切さを学びました。途中平成24年7月の九州北部豪雨で被害を受けた道路などに接し、未だに復興途上にある現状も確認できました。途中雨にも遭いましたが、様々な体験ができた1日となりました。

【日 時】
平成28年5月28日(土)
【場 所】
うきは市 長野水神社、妹川地区、調音の滝、巨瀬の源流の散歩道、清水寺、道の駅うきは
【参加者】
福岡都市圏住民 77名(福岡市55名 筑紫地区13名 糟屋地区2名 宗像地区7名)

長野水神社(ながのすいじんじゃ)

江戸時代初期、筑後川の水を利用するために命を懸けて長野用水を作った5人の庄屋を祀った神社。
神社の熊抱(くまだき)さんから、神社と用水の説明を聞きました。参加者の中には「小学校の社会科で習った」「帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さんの小説『水神』を偶然読んでた、舞台がここだったとは」との声が。

↓長野水神社 うきはWebより。(福岡市の小学校では、4年生の2学期に社会で習うそうです。ぜひお出かけください)
http://welcome-ukiha.jp/tourist/no/000024

妹川(いもがわ)地区(茶摘み・手もみ・石臼挽き体験会場)

開会式

吉岡うきは市副市長

茶畑農家の堀江さん

吉岡慎一うきは市副市長、地元の茶畑農家代表の堀江さんから歓迎の挨拶がありました。茶畑農家の皆さんも3年目となったこの行事に、まだご自身たちの製茶作業の続く中、何か月も前から準備してくださいました。

地元の茶畑農家の皆さんと一緒に茶摘みを行いました。今は全て機械で刈り取りますが、手で摘む際は、上から3,4枚を摘んでいくそうです。初めて触った茶の葉は、そう固いとも思わないのですが、八十八夜を既に4週近く過ぎていて、これでも固いとのことで参加者は興味深げでした。朝までの雨で茶の木が濡れていて、地元の人が「ズボンが汚れますよ」と恐縮していましたが、ほとんどの人が気にせず畑に入りました。

枯れた杉の葉で火をおこし、摘んだ茶葉を炒る古くからの方法が披露され、参加者も飛び入りでやってみました。むしろの上でしなった茶葉をもむといい香りがして、手もすべすべになりました。今年は民俗資料館から石臼を2基借りてきて、茶葉を挽き、粉茶を作ってみました。粉を味見した人は、その香りと味の強さにまたびっくり。ほとんどの人が初めてづくしの体験と地元の人と触れ合えた、感慨深い体験になりました。

調音の滝(昼食と森林セラピー体験)

筑後川源流の碑
筑後川源流の碑が魚返りの滝付近に平成28年2月に建立されました。筑後川源流の碑は、日田市上津江町、熊本県南小国町にもあります。

毎年大好評なのが地元の食材を使った「ほっこり弁当」です。器も竹皮で出来ていて持って帰る人がたくさんいました。食後は班に分かれて森林セラピーの時間。巨瀬の源流の散歩道を40~50分かけて散策。
思ったよりきつかった、でもだからこそ癒されたとの声がありました。

↓ほっこり弁当を食べるには、農家民宿「つづら山荘」に宿泊、森林セラピーを予約の際に注文、などの方法。
農家民宿「つづら山荘」 http://www.city.ukiha.fukuoka.jp/imgkiji/pub/detail.aspx?c_id=70&id=93
もう1店作っている店が http://kankou.chikugolife.jp/search/shop/detail.html?id=208
森林セラピーについてのお問い合わせは、うきは市ブランド推進課 0943-76-9029

清水寺(せいすいじ)、清水湧水(きよみずゆうすい)、チョウザメ、道の駅うきは

日本の名水百選に選ばれている「清水湧水」は清水寺にあります。あいにく雨が降ってきました。お寺自体も大変風情のある名刹です。湧水を水筒などに入れて持ち帰る人もいました。清水寺の前の農家の敷地にいけすがあって、チョウザメが飼われています。きれいな湧き水が豊富なうきはならではの挑戦で、チョウザメを養殖し、ブランド商品化できないかとの試みです。そのうち“うきは産”のキャビアが食卓に並ぶ日も来るのでしょうか。応援したいですね。
最後の訪問場所「道の駅うきは」では、地元の豊富な農産物を買い求めました。
道の駅うきはにある「お食事処なかよしこよし」では、既にチョウザメの刺身や、カルパッチョなどが食べられるようです。
後半はあいにくの雨になりましたが、今日は先人たちが筑後川や自然と向き合い、知恵と努力を注いで、生活してきた福岡都市圏の水源地の一つであるうきは市の一面を垣間見ることが出来ました。
今度は果物狩りや、つづら棚田など別の見学や体験もしてみたい、との声が聞かれました。
ぜひ、遊びに行ってください。

アンケートより

○生茶葉から製茶の工程が一部とはいえ体験出来て勉強になった。特に石臼で挽いた直後の茶粉のしびれるような味覚には、大変驚いた。

○うきは市は近いのに通り過ぎる町であった。今回山をゆっくり歩いたり、お茶の香りに癒されて今度は家族と一緒に来たい町になりました。水がおいしかった。福岡都市圏の水道事業に期待しています。

○水道水の3分の1が筑後川流域から来ていることを、福岡都市圏の大半の人は知らないのではないでしょうか。水源地域の人々の環境保全のご努力に都市部に住む人も感謝しなければと思いました。都市部に住む人が水源地域に足を運ぶことが一番の交流になると思います。水のありがたさを深く心に留めたいと思います。

○うきは市は、水や川や森林が多くすごくいいと思います。また行きたいと思いました。きよみずゆうすいがたのしかったです。